看護師の転職動向と求人動向について

看護師の転職における年齢層とボリュームゾーン

看護師の転職市場では、20代後半から40代前半の年齢層が最も多く、いわゆるボリュームゾーンとなっています。具体的な年代別の特徴を見ていきましょう。

① 20代(特に25歳~29歳)

  • ボリュームゾーンの一つ
  • 理由: 新卒から3〜5年経験を積んだ後に、キャリアアップやワークライフバランスを求めて転職するケースが多い。
  • 主な転職理由:
    • 夜勤の少ない職場を求める
    • 専門性を高めるため(クリニックや美容系など)
    • 人間関係のリセット
    • 給与・待遇の改善

② 30代(特に30歳~39歳)

  • 最も多い年齢層
  • 理由: 結婚・出産・育児といったライフイベントの影響が大きく、働き方を見直すタイミングになる。
  • 主な転職理由:
    • 子育てと両立できる職場を探す(夜勤なし・日勤のみの求人が人気)
    • 給与・待遇の向上
    • キャリアアップ(管理職・認定看護師・専門看護師への道)

③ 40代(特に40歳~45歳)

  • 転職は多いが選択肢が狭まる傾向
  • 理由: 経験を活かして管理職や指導的な立場での転職が増えるが、未経験分野への転職は難易度が上がる。
  • 主な転職理由:
    • 管理職やリーダーポジションでのキャリアアップ
    • 体力的に厳しくなり夜勤の少ない職場を求める
    • 子育てが落ち着き再びフルタイム勤務へ戻る

④ 50代以降

  • 転職市場は狭いが、求人はゼロではない
  • 理由: 採用側が若手を求めることが多いため、未経験分野への転職は難しくなる。ただし、経験豊富な看護師は慢性的な人手不足の影響もあり需要がある。
  • 主な転職理由:
    • 体力面を考慮し、負担の少ない職場へ(クリニック、訪問看護、デイサービスなど)
    • 定年後も働ける職場探し(再雇用やパート勤務)

看護師の転職市場の現状

  • 20代後半〜30代が最も転職しやすい
  • 40代以降は経験を活かした転職が有利
  • 50代以上でも訪問看護・介護系では需要あり

年齢によって転職の選択肢や求められるスキルが変わってくるため、どの年齢でも戦略的に転職を進めることが重要です。

看護師専門の転職サイト・転職エージェントの求人傾向

看護師専門の転職サイトや転職エージェントが保有する求人は、多岐にわたる医療・福祉施設からの募集が中心となっています。具体的には、以下のような施設の求人が多く見られます。

1. 病院

  • 一般病院: 急性期から慢性期まで、さまざまな診療科を持つ病院の求人が豊富です。
  • 大学病院: 高度医療や専門的な診療科を持つ大学附属病院の求人もあります。

2. クリニック

  • 一般クリニック: 内科や外科など、地域に根ざしたクリニックの求人が多く見られます。
  • 美容クリニック: 美容外科や美容皮膚科など、美容医療を提供するクリニックの求人も増加傾向にあります。

3. 介護施設

  • 特別養護老人ホーム(特養): 高齢者の長期入所施設での看護業務の求人が多いです。
  • 有料老人ホーム: 民間運営の高齢者施設での求人も豊富です。
  • デイサービス: 日中のみの介護サービスを提供する施設での求人も見られます。

4. 訪問看護

  • 訪問看護ステーション: 利用者の自宅を訪問し、医療ケアを提供する求人が増えています。

5. 一般企業

  • 産業看護師: 企業内で従業員の健康管理を行う職種で、一般企業からの求人も存在します。

看護師の転職市場における求人比率

看護師専門の転職エージェントが保有する求人の割合は、一般的に以下のようなバランスになっています。

求人の種類割合
病院(急性期・慢性期・療養型・精神科など)40〜50%
クリニック(一般・美容・専門診療)10〜15%
介護施設(特養・有料老人ホーム・老健・デイサービスなど)20〜25%
訪問看護ステーション10〜15%
企業・産業看護師・学校・保育園5%未満

このデータからも分かるように、病院の求人は多いものの、全体の50%程度にとどまり、残りの半数は病院以外の職場(介護施設・訪問看護・クリニックなど)からの求人が占めています。

なぜ看護師の求人は病院以外にも広がるのか?

  • 高齢化に伴う介護施設・訪問看護の需要増
    • 高齢者向けの医療・介護が増加し、施設や在宅医療の看護師ニーズが拡大。
    • 特に訪問看護は増加傾向にあり、都市部を中心に求人数が伸びている。
  • クリニック(特に美容クリニック)の増加
    • 美容医療の市場拡大により、美容クリニックでの看護師採用が活発化。
    • 夜勤なし・高収入といったメリットから、若手看護師の人気が高い。
  • 産業看護師・保育園看護師などの多様な選択肢
    • 企業での健康管理を行う産業看護師の求人は少数ながら安定。
    • 保育園や学校の医務室で働く看護師のニーズも一定数存在。

結論

薬剤師と比較すると、看護師の転職市場は「病院・クリニック偏重」というほどの偏りはなく、介護施設・訪問看護など多様な選択肢が存在します。

特に、近年は病院以外の職場(介護施設・訪問看護・美容クリニック)の求人が増えているため、看護師の転職エージェントも病院だけでなく、幅広い求人を取り扱う傾向があります。

転職を考えている場合は、エージェントごとの得意分野を比較しながら、病院以外の選択肢も視野に入れると、希望に合った職場が見つかりやすいですね。