新卒の看護師の就職先の分布
新卒の看護師の就職先の分布は、一般的に以下のような傾向があります。
日本看護協会や各種調査データを基にした目安を示しますが、年度や地域によって若干の違いがあります。
1. 病院(約70〜80%)
- 大学病院・総合病院(30〜40%)
高度な医療を学ぶことができ、教育体制が整っている。 - 民間病院・一般病院(30〜40%)
地域医療を支える役割が強く、診療科も幅広い。
2. クリニック・診療所(5〜10%)
- 外来中心の業務が多く、夜勤が少ない。
- 比較的少人数のため、一人ひとりの業務範囲が広いことがある。
3. 介護・福祉施設(5〜10%)
- 高齢者施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など)
- 障害者支援施設
- 夜勤がある場合もあるが、病院よりは少なめ。
4. 保健所・行政機関(1〜5%)
- 地域保健や健康増進活動に関わる仕事。
- 保健師資格が求められる場合もある。
5. 企業・産業看護(1〜3%)
- 企業の医務室や産業保健スタッフとして勤務。
- 一般的に経験者が優遇されるが、新卒採用も一部あり。
6. その他(1〜5%)
- 訪問看護ステーション
- 学校(養護教諭・スクールナース)
- 研究機関
傾向とポイント
- 大多数は病院勤務からスタート
特に教育制度が整った大規模病院を選ぶ傾向が強い。 - 夜勤を避けたい場合はクリニックや施設を選ぶ
しかし、経験を積むために病院での勤務を推奨されることが多い。 - 産業看護や行政系は新卒採用が少ない
一般的には病院勤務での経験が求められる。
大学病院・総合病院と民間病院・一般病院の違い
新卒の看護師がスキルアップしやすい環境という視点で、「大学病院・総合病院」と「民間病院・一般病院」の違いを詳しく解説します。
① 大学病院・総合病院
特徴
- 高度医療の最前線
手術や救急医療、高度な診療科(ICU、HCU、NICUなど)での勤務ができる。 - 教育・研修制度が充実
プリセプター制度、ラダー制度が整備され、計画的なスキルアップが可能。 - 学会・研究活動への参加が推奨される
最新の医療知識やエビデンスを学び、専門性を高めやすい。 - 専門・認定看護師の道が開ける
キャリアアップの選択肢が豊富で、専門職としての成長を支援される。
メリット
- 体系的な教育が受けられ、段階的に成長しやすい。
- 高度な医療に触れる機会が多く、幅広い知識と技術を習得可能。
- 学会や研修に参加しやすいため、専門性を高められる。
- 人員配置が手厚い場合が多く、新人のフォロー体制が整っている。
デメリット
- 忙しい・残業が多い傾向がある(特に急性期病棟)。
- 業務の細分化が進んでおり、特定のスキルに偏る可能性あり。
- 給与が比較的低め(公的機関に準ずるため)。
② 民間病院・一般病院
特徴
- 地域密着型の医療を提供(療養病棟や回復期病棟、慢性期医療)。
- 比較的早く一人立ちできる環境。
- 患者とじっくり向き合える。
- 即戦力としての役割が求められる。
メリット
- 業務の幅が広く、多岐にわたる経験ができる。
- 早く一人前の看護師として働けるため、現場感覚が身につく。
- 患者との関係が深まりやすく、やりがいを感じやすい。
- 給与が高めの傾向。
デメリット
- 教育体制が病院によって異なるため、自己学習が必要。
- 忙しさに個人差がある(小規模病院では業務が集中する場合も)。
- 高度な医療技術の習得は難しい(急性期病棟が少ない)。
お伝えしてきたとおり、新卒の看護師の大多数は、まずは総合病院、大学病院などの教育体制がしっかりした医療機関からキャリアをスタートさせます。
まとめ
まとめ
ただ、総合病院や大学病院はスキルの習得や高度な医療に携わることができるというメリットはありますが、夜勤や緊急の対応など、心身ともにストレスも増大しますので、一定期間、こういった病院勤務を経験しますと、ワークライフバランスも考慮し、転職を考える看護師も少なくありません。
